2024/11/04 13:22


やばい。超感動した。

原稿の校正と校閲をしていたら、感動がとまらなくなってしまった。引用箇所を確認するために、著者が読んだ本を借り、ない本は手に入れて事務的に読み始めたら、そこに著者がいた。著者が読んだ本を追いかけて読んでいくと、どうやって本と付き合っているのか、その一端に触れることができた。


何度も何度も繰り返し読み返すために本は、ジャケットと表紙がのりづけされて固定されていて、本文には著者の驚きと思考が鉛筆で書き込まれている。すべての本に、著者特製のスピンがつけられていて、著者がどう本を読んだかはもちろん、その前に、著者がどう本と付き合っているのかがわかった。


標題紙にはその本と著者が交わした「小さな声」の対話が書き残されていて、その対話を読み返すためのインデックスとして、付箋がページに貼られている。そして、その後に、印象に残ったフレーズだけが、ノートに書き抜かれている。このノートの束が数十冊ある。


著者が、原稿を書き始めるのは、この後で、この本のかたまりが、私が担当させてもらっている作品だけで、200冊以上ある。校正、校閲は、私のような素人には果てがなく、終わらない仕事だが、この仕事は本当に終わらなくていいと思えた。素人だけど、編集という仕事に関わらせてもらえて、本当に良かった。著者が本と向き合ってきた誠意に報いられるよう、最後までがんばりたい。